このポン酢ご存知でしょうか?
あー知ってる知ってる!という人はそのまま読み進めてください。
ん~見たことあるかも。。。って人はお家の冷蔵庫あけてください。ひょっとしたらこれが入っているかもしれません。
見たことないって人は買って食べてみてください。今ならまだ鍋のシーズンです!!
これは高知県の山間部にある、馬路村という人口1000人にも満たず、お世辞ぬきで『ゆずしかない農村』で作られている商品です。
このポン酢が今や、百貨店、全国チェーンの小売店、地方のスーパーでも見られるほどの出荷数を誇る大人気商品。他にもこの村のゆずを使った商品が数多く開発され、非常に人気を博しています。
まるで田舎が都会に打って出るサクセスストーリーのお手本のような物語ですがこれは現実世界で本当に起こっている、ビジネスの話です。
そしてこのビジネスの仕掛け人とも言える人物に会いました。
松崎了三さん。
なんとめちゃくちゃ近くに住んでいました。笑
しかもたまたま参加していた会議でお会いするという奇跡。笑
実は高知に来てからずっとこの御仁にはお会いしたいと思っていたんです。
私のミッションは香南市にある、市営施設『道の駅やす』と県営施設『ヤシィパーク』の活性化。しかし、役場の人に聞いても、地域の人に聞いても、そこで働く人に聞いてもどうやら活性化する方法がわからないし、そもそも活性化をほんとに考えてるんだかいないんだかわからない。
ならば活性化した人に直接、聞いてみたいと思い山口県の『道の駅萩しーまーと』を儲かる道の駅にしたことで有名な中澤さかなさんに直接コンタクトをとった。
幸いなことにすぐに連絡を下さり、何度かやり取りしているうちに『高知にいるんだったら松崎さんにまず会え!』というアドバイスをいただいていた。
そのアドバイスをもらってから半年もたってしまったがようやくお会いすることができた。
松崎さんにお会いして話をして思ったのは
『血の通った商売人にやっと会うことができた』
というのが正直な感想です。
『わしは地元の人にとってはなんてことないものに価値をつけて高値で売りつける詐欺師みたいなもんや!!』
とおっしゃる松崎さん。もちろんおもしろおかしく話すためのジョークですが実に商売の本質をついているなぁと。
会議のなかでも非常におもしろいなぁと思った発言がたくさん。そこで同じように聞いていた人は苦虫を噛み潰したような表情をしていた人もいましたけどね(笑)
会議のあるヒトコマをご紹介。
市、農家、JAが商品を開発し、こういうコンセプトでこういう販路を決めて売っていこうとしてたんですが、身勝手な行動をとって好き勝手売ってしまう連中がいました。そこで他のメンバーから糾弾の声があがります。
『目先の利益だけ追いかけるな!』
『なぜ決め事をまもらない!』
『本来の主旨とちがう!』
まさに集中砲火。まぁ当然ですよね。端から聞いてる私ですらなんやこいつは!?ってなりましたから。完全に糾弾派の肩を持ってました。しかし、本人たちは悪びれる様子もなく、その会議自体が険悪な空気になっていました。
そこで松崎さんがポロポロと話し出しました。
『勝手にさせといたらええ。そいつらが売れたところで数万円や。そもそもこの商品自体、市場規模から見たらまだまだ小さい小さい市場や。そんな中で勝手なことしても消費者のイメージにはほとんど影響なんてでえへん!小さい世界でものを見るな!!わしらがしようとしている商売はもっともっと大きいもんや。数億円くらいの売上が出てきて勝手なことしよる奴がおったときは成敗したらええ。今の現状で騒ぎ立てるようなことやない。』
皆さん、三者三様の表情を浮かべていましたが僕は感嘆してしまいました。
見ている景色が違ったんですね。
そこにいる当事者である農家さん、市役所職員、JA職員、県職員よりもはるか先を見ていたんですね。あぁこれが本気で活性化できる人の思考なんだなぁとつくづく感じました。
これから色々学ばせていただこうと思います。