ゴールデンウィークに大阪帰省。
連休なんてのはただの休みにすぎないのになぜか贅沢したくなる 。
ちょっとつまむためのお菓子を物色しに百貨店高島屋に行くと入り口近くにある高級フルーツ専門店の前で足がとまった。
これだ。
フルーツ専門店の店頭の最前列。
一番見えるところに西瓜が山積みされていた。今、主流の小玉西瓜だ。昔の大きな西瓜も魅力的だが今は独身や核家族が多い時代なのでこういう食べきり小玉西瓜が市場を席巻している。
1玉4,320円。
高いとみるか。
安いとみるか。
実はこの西瓜の前で足を止めたのは高知県産のルナ・ピエナ西瓜だったからだ。不思議なものでもう感覚が高知県民になっている自分がいる。大阪にいたときなら見向きもしなかったであろうこのルナ・ピエナ西瓜に今は足を止めて思考を巡らせているのだ。
このルナ・ピエナ西瓜は今、僕が住んでいる高知県香南市で作られている特産品だ。
1本の苗から1玉だけ実がなるように剪定し、西瓜が地面に着かないようにヒモで吊し上げて作るのだ。それはそれは手間のかかる農法だ。
そしてこだわりは作るだけではなく、出荷する際も西瓜の達人たちが見極めた糖度MAXの状態で出荷する。つまり完熟された状態で出荷されるので手元に来たら置いておくのではなく出来るだけすぐに食べてもらいたいというこだわり。
とにかく街をあげてこのルナ・ピエナ西瓜を生産しているのだ。
もう一度、考えてみよう。
1玉4,320円。
高いとみるか。
安いとみるか。
先述した通り、大阪時代の僕なら足も止めることはなかったのはもちろん、高いからだ。そもそも百貨店のフルーツ専門店なんて今までの人生でほとんど用事がない。笑
普段食べるのに4,320円の小玉西瓜なんて食えるわけがない。
小玉西瓜だと1,000円前後。大玉西瓜だと3,500円前後といった庶民感覚の持ち主だ。初物だからとかいう理由を含めても1.2倍がいいところだろう。
ただし、買ったことがないというわけじゃない。
それは贈答用やプレゼントで買うときだ。
そもそも贈答なんていう行為自体、ちょっと高いものを贈らないといけないという思考が先行してしまう。
プレゼントも同じだろう。
僕もよくお店でイベントしたときに景品として高級フルーツを買っていた。それは『普段、食べれないだろう』という思考からだ。
1粒1,000円の苺。1つ1,500円の蜜柑。1玉10,000円のメロン。
こんなのが景品で当たるとめちゃくちゃ盛り上がる。その時は何万円もフルーツを買い漁ることもあった。
なので極端な話をするとこれが4,320円でなくてもいいのだ。5,000円でも10000円でも関係ない。もちろん味は美味しくなくてはいけないがとにかくこの『高いものを食べている』という優越感にテンションがあがるのだ。なのでこの優越感を満たすだけなら価格は高ければ高いほうがいい。
僕の高級フルーツに関する感覚はこんな感じ。自分の周りを見てもそんなに大差ないほどだと思う。まぁ庶民だからね。笑
しかし、大阪時代のお店にはこれが特別ではないという感覚の方もいらっしゃった。
もちろん高給取りや社長婦人達だ。
このルナ・ピエナ西瓜はどんな人をターゲットにしてるんだろう。
庶民がたまの贅沢に食べたり、贈ったりするために作っているんだろうか。
お金持ちの人が普段から食べたりする様なのだろうか。
はたまた社会人になった子供達がお世話になった両親へ贈るプレゼントなのか。
クラブのお姉ちゃんへの手土産なのか。
おばあちゃんへのお見舞いなのか。
高級料亭のデザートとして使われるのか。
そんなことを悶々と考える。
そして高知県でこのルナ・ピエナ西瓜の現場を実際に見ている自分としては1円でも高く買ってもらいたいと思う自分もいる。
1円でも多く農家さんや高知県にお金が落ちることを願っている。
なので4,320円より10,000円だ。
海外に目を向けてみてもシャンパンやワインは現地価格の何十倍もの高額で日本で売買されている。
日本の和牛だって海外では2倍~10倍くらいの価格で取引されている。
もちろんこの売価全額が直接生産者の収入になるわけではないが。
なんかこういうのを見てると大阪と高知の両方を知ってるというのは武器だなぁと思います。ちゃんと住んで、生活して、身近に感じてきたという経験が活かせる気がします。
高知としてはルナ・ピエナ西瓜を出来るだけ高く、大阪出身としては適正な価格で美味しいルナ・ピエナ西瓜を。
がっちり噛み合った商売が出来たら楽しいだろうな。
ゴールデンウィーク中にもこんなことを考えている僕でした。