長男坊が『まだー?いつくるんー?あと何回寝たらええのー?』と実に2ヶ月に渡り、念仏のように唱え続けてきたことがようやく報われたのだ。
2019年12月8日。
高知県にある夜須(やす)マリンホールに。
あの。
万人が認めるさかな博士。
さかなクンがきたぁぁぁぁぁ!!!
のである。
お寿司が世界で1番大好きな長男坊。中でもとにかくマグロが好き。
そんな寿司好きから魚に興味を持ち、魚の図鑑や魚にまつわるテレビにのめり込んでいったのだ。
長男坊に一緒に見ようともう何度も何度も付き合わされて録画している番組を見ているうちに、僕自身も変化が起こり始めた。
美ら海水族館職員が深海魚【フジクジラ】の捕獲を目的としたドキュメンタリーなんかは胸が熱くなるような高揚感を覚えた。
沖縄の海で問題視されたサメ被害。地元漁師さんによるサメ駆除作戦では地域で闘うかっこよさを習った。
海洋研究開発機構が持つ、有人潜水調査船【しんかい6500】の歴史にはロマンさえ感じる海の男になった。
しかし、ニュースの小山くんがアマゾン川にいるという人食い淡水魚を捕獲しに行くリアルガチ番組だけは好きになれなかった。決して小山くんには罪はない。
とにかく、そんな状況だったので魚が大好きな長男坊とこの人との出会いは必然と言えば必然なのだ。
ある日、テレビで見た
魚の帽子を被って常人とは思えない変わった動きを見せる風変わりなおじさん。
【ぎょぎょぎょ】と奇声を発しながら魚に対する膨大な知識と愛を語るそのおじさん。
1975年8月6日生まれのれっきとしたおじさんに心奪われた1人の少年が我が家の長男坊だ。
そんなテレビを通しての一方的な出会いからしばらく
ついに生魚。。。もとい、‘’生‘’さかなクンと高知県で出会える日が来たのだ。
前日の夜は興奮してこの様子。
テレビのリモコンを近くに置いて、ひたすら一時停止を繰り返してテレビ画面に映る【魚の名前】を書き留めたり、図鑑を何度も何度も読み更け、書き留めたりして勉強しているのだ。
『なんでそんなことしてるん?』
と聞くと
『さかなクンとお話しするとき魚の名前いっぱい知っとかなお話できひんやん』
。。。
なんと可愛い(←親バカ)
『そうやなー!そらいっぱい勉強しとかなあかんな!』
【心の声】
しかし息子よ。さかなクンに会えるは会えるのだがサシでトークできるわけじゃないんだわ(泣)
とまぁ長くなりましたが長男坊が大好きなさかなクンが高知にやってきてくれたんです。
家族揃って【さかなクンのお魚勉強会】に遊びにいったお話を書いていこうと思います。
600人ほど収容の夜須マリンホールは満員御礼。立ち見も厭わないほどの盛況ぶりだ。
とにかく子供がたくさんいて、いかにさかなクンが子供に人気があるのかがよくわかる。
長男坊と同じ保育園のお友達もたくさん見に来ていてみんなでワイワイしながら開演を楽しみにしている様子だ。
司会の紹介で登場するさかなクン。
割れんばかりの歓声。
テレビで見たあの奇妙な動きはやはりホンモノ。
跳んだり跳ねたり40代半ばにしてはとにかく大変そうだ。
【ぎょぎょぎょ!】
【すぎょい!】
【ありがとうぎょざいます!】
連発する【ぎょ語】
どうやらすべてではないが【ぎょ語】の文法的解釈の多くは【ご】→【ぎょ】に変換活用されるようだ。
しかし、我が子を含めこの【ぎょ語】の文法的解釈はあまり浸透しているようには見えなかった。魚好きの子供たちをもってしても知的好奇心を駆り立てられるものではなかったのか。やはり学問というのは難しい。
さかなクンは登場から終わりまで休むことなく話を続けた。
高知で獲れる魚を題材にしながら大きな模造紙いっぱいにイラストや豆知識、雑学などを高速で書き込みながら次から次へと魚のお話をしてくれる。
そのプレゼン能力の高さと魚への愛の深さは舌をまくほど圧倒的なものだ。
難しい用語も飛び出す内容だったが長男坊はウトウトすることもなく真剣に聞き入っている。
それもそのはず、難しいお話の合間に600人以上いる会場に向けてさかなクンがクイズを投げ掛けてくれるのだ。
それに答えんとする少年少女たちがこぞって大きな声で手をあげている。主に小学生だろうか。はっきりと自己紹介し、自分の意見を述べている子供たちの様子がこの会場の【ぎょ熱】の高さを物語っている。
クイズに正解したら題材にしている実物のお魚のプレゼントと今、目の前で書いている模造紙に子供の名前とサインを書いてくれた唯一無二、世界に1枚だけの模造紙。それに非売品のさかなクンCDだ。
そりゃみんな躍起なって挙手するわけです。
長男坊も頑張って手を挙げていますがやはり年長さんということで小学生のお兄ちゃんお姉ちゃんのなかでは埋もれてしまいがち。
次々とクイズが裁かれていき、最後のクイズになった。
さかなクンに指名された小学生が答えるが残念ながら不正解。
つづく小学生も不正解。
。。。
。。。
そしてなんと!?!?!?
小さいながらピョンピョンと跳び跳ねてアピールしていた我が長男坊が指名された。笑。
ん??
完全に挙動不審の様子。
なんとも言えない表情をしている。
マイクを持った係りの人がかけつけてくる。
モジモジしながら何を話すか会場全体が静寂に包まれている中。。。
とんでもなく細い声で自己紹介をする長男坊。
笑。
もうほんとにそ~っとしゃべる。笑。
やつぎばやに
とんでもなく細い声でかつおの尾はつまようじになると思います。
と答える。
するととんでもなくデカい声で舞台のおじさん。。。
もとい、さかなクンが
『大正解ですぅ~!すぎょい!』
と。
それから舞台のさかなクンの投げかけに客席からではあるが長男坊がさかなクンと会話をしている。
それは長男坊にとって夢の時間だった。
そうここは高知県にある夜須マリンホール(収容人数600人)。
ねずみ軍団率いるあのテーマパーク(収容人数80000人)よりもはるかに夢の国と化した夜須マリンホールだ。
束の間の夢の時間を終え、長男坊はなんとも言えない幸福感丸出しの表情を浮かべ、まだ舞台で魚について熱く語っているさかなクンの話をまるで聞いている様子がない。さっきまでの【ぎょ熱】はどこへ行ったんだ!?
もうそれは完全に思考が停止した様子だった。笑。
講演が終わると同じ保育園のお友達に囲まれ嬉しそうにしている長男坊。
まるでヒーローのような扱いだ。
同じように職場の方、地域の方に囲まれ恥ずかしそうにしている僕。
ウルトラの父はこんな感情だったのだろうか。
その様子をさかなクン登場の開始直後から爆睡の次男坊を抱えながら奥さんが笑いながらこっちを見ている。
ほんとに【さかなクンのお魚教室】はとっても楽しめました。
その後、家に帰り大きな大きな模造紙を小さな我が家に飾れ飾れとわめきたてる長男坊。 (もう少し大きなお家に引っ越ししてからにして。。。)
また図鑑を開いて『さかなクンこの魚の話してたなぁ!』と何度も何度も確認してくる長男坊。 (ニギスが高知ではオキウルメって言われてるのもうわかったから。。。)
聞いたこともないさかなクンのCDで頭を振りながら踊り狂っている次男坊。
んっ!?
次男坊!!おまえずっと寝てたやろ!!!!笑
とにもかくにも2019年の年の瀬に我が家にとって一番の思い出になったさかなクンとの出会いに感謝!感謝です。
これからも家族一同、さかなクンのますますのご活躍を祈っています!