こんばんわ。
高知県で田舎暮らしを始めたべっちゃんです。
今日は!今日は!かなりニッチな話題。
薪棚作りについていろいろと書いていきますので興味ある方はそのまま読み進めてもらって、興味ない方は、あぁべっちゃんがんばったんだね!と『いいね!』『コメント』をよろしくお願いします。
古民家といえば皆さんいろいろとイメージするものがあると思います。
茅葺屋根。。。
日本瓦。。。
土間。。。
土壁。。。
などなど。
その中でも僕がイメージするのが『薪』生活。
特にうちの場合は奥さんがもう『薪』を欲っしちゃって欲っしちゃって。笑。
ピザ窯でもたくさん薪を使うんですが家で使いたいよね~と。
そこで『薪』といえばやっぱり
薪ストーブしかない。
メラメラと燃える炎を見ながらゆっくりと丁寧な時間を過ごす。。。
いや~いいと思うんですよね。
しかし、薪ストーブとやらを調べているとどうやら超大量の薪を必要とするそうじゃないか。
この方のブログとかマジで読みまくりました。
もうタイトルがシュールすぎてとっても好き。
高知に住んでいるらしいのでいつかお会いできたら楽しいだろうな。
まぁストーブの話や薪の調達等々は置いといてとにかく薪を収納するための薪棚がいるんやな~と。
で。
実際に薪ストーブを使用している方、仮称【干し柿さん】(高知での僕の数少ない貴重なお知り合い)の家に遊びに行ってみると薪棚にびっしりと薪が積まれている。夏にもかかわらず冬のためにすでに薪のストックがなされているのだ。
これが薪ライフの基本中の基本。
翌年、翌々年の薪を乾燥してストックしておかないとダメなのでかなりの量が収められています。
しかもこの薪棚がご本人自ら作られたDIY作品だという。
これを見て、おぉ自分で作れるんやな~。ちょっとやってみようかしらなんて思いながら、薪談義をして帰路についた僕。
するとスマホが鳴る。
『はい!もしもし!』
『あの~干し柿ですけどべっちゃん一緒に薪棚作ろうか?』
なんと先程、お邪魔していたお家の干し柿さんからの電話。
僕はもちろん即答で
『是非、よろしくお願いします!!』
そんなきっかけで干し柿さんとふたりで僕ん家の薪棚作りがスタートしました。笑。
しかし、この薪棚作りをあまりにも軽く考えてた僕は驚愕の事実を突きつけられるのです。。。
後日、うちの庭の写真を持ってこの辺につくりたいな~みたいな打ち合わせをするために干し柿さん家に集合。
ざっくりと手書き図面なんかも僕なりに書いて持参。
あぁで。こうで。なんて打ち合わせが進み、干し柿さんから『できるだけ安く仕上げよう』と提案いただき、僕もそれはもう願ったりかなったりで大喜び。
このできるだけ安く仕上げようが超重要なポイント。
いろんな薪棚ブログ読んだり、薪棚DIY調べたりして安く作る方法なんかがありましたけど干し柿さんの安く仕上げる方法なんてのは、まぁ見たことない。
ほんとに貴重な経験をさせていただいたのでありのままを書いていきます。
この安く仕上げようの真意というのは実は。。。
木組み で作るというもの。
木組み??なかなか聞きなれない言葉だと思いますがこういうやつです。
釘や金物、接着剤を使わずに木材をはめ込むだけで高い強度を保つ継手の一種。日本では法隆寺など7世紀には用いられていた技術で、組み合わせ方は200種類ほど存在するそうです。
ほっほっ法隆寺!?キラキラキラキラ。
歴史好きの僕としてはもうたまりません。
寺社やお城の改修工事のドキュメンタリーなんかがあると欠かさず見るくらい伝統工法や職人技とやらに目がない。
中でも姫路城の昭和の大改修を追ったドキュメンタリー番組なんかは本当に感動させてくれる。
とまぁ話は脱線したがとにかく干し柿さんは、木組み作りを提唱してくれたのだ。
これは非常に節約になるんです。4寸角材らを繋ぐには非常に大きなビスやボルト、支柱や金具が必要となりその金額はかなりのもの。
これは素晴らしい節約術だ。
しかし、木組みなんて。。。そんな技術は。。。
なんて心配は問題なし!!
実はこの干し柿さんは元家具職人さんなのだ。
今もそのたぐいまれな技術を使って家具はもちろん木造船作りなど様々なことに取り組まれている職人さんなのだ。
つまり、プロが作るDIYということだ。
これはまさに鬼に金棒!いや鬼に機関銃だ!
この日から干し柿さんの技術指導が始まりました。
といっても職人さんなので手取り足取り教えるという感じではなく、見ときや~!やってみ~!といった感じ。
まずはお家で図面を書き書き。
ちょっと見にくいですが超シンプルな図面。笑。
もっと木組みの形とかなんとか書くのかなぁと思ったら僕が書いてきた図面とほぼ同じ程度のもの。
この図面からは簡単にできそうな感じしかしませんよね?笑。
さて、いよいよ実践。
干し柿さん家の横にある併設されてる作業場で作業開始。
4寸角×3000の木材。
これ普通に家作るときに使う柱より太いらしく、超頑丈。
その分、驚くなかれ1本25キロもあって超重い。
これを移動させたり、ひっくり返したりを何度も繰り返すので超大変。
当然、見たことない機械も多数ありました
。。。ちなみにこちら精度を出す機械だそう
。。。精度??
とにかく木材を突っ込むと木屑が噴水のように飛び散る機械です(笑)
こちらが処女作の木組み。
【雄】
これが【雌】と合体するとこうなる。
めっちゃ気持ちええ!!!
バシッとハマった時の爽快感はたまらんもんがあります。
こちらは比較的、簡単な蟻組という木組みの方法。
でも強度は絶大で、主に家具なんか使われる木組みです。今回はこの蟻組を至るところで使っていきます。
さぁどんどん加工!
こちらは蟻組加工のダブルです。ここに2本の柱がつくわけです。
こういう感じ。
これも大変な作業。
地道でしょー。笑
伝わりますかねこの傾斜!
屋根に使う木材を削り出しているんです。
ノミとハンマーでこの傾斜を削っていくのは途方もない作業。昔の人ってほんとすごかったんやなーと感心しながら削っていきます。
他にもホゾ穴を掘ったりとあまりにも時間がかかるので途中、ノミとハンマーを持ったまま、コックリコックリ船を漕いでしまいした(笑)
ここで雑学豆知識ターイム!!
興味ない人もある人もここまで見てくれたんだから付き合ってくださいよ。
これ、金槌ですよね。
これって叩くほうが2つあるのわかると思いますがこういう金槌のことを両口玄扇(りょうぐちげんのう)といいまして、当然、2つあるので使い分ける前提で作られています。
よくよくみると片方は真っ平。片方はうっすら丸みを帯びています。家にある金槌見てみてください。
このうっすら丸みを帯びている方の面を【木殺し面】と呼び、釘を木材に打ち付けても木材が傷つかないように配慮されています。
ノミを叩くには平らな面で叩くなど使い分けるそうですね。
実際に作業中、いきなり干し柿さんから投げ掛けられ僕は知りませんでした。他にも木の上下の見方や、どういう材木が優れているかなどいろんな豆知識を教えていただきました。
めっちゃいい勉強!!
以上、雑学豆知識でした。笑。
さて話を本題に戻しまして、薪棚作り。
木製のものを屋外に置くなら絶対に必要なのが防腐処理。これは絶対しといてくださいね。
特に今回のような大掛かりなモノを作って、朽ちてしまって、もう一度作るにはかなりパワーがいりますしね。笑。
こんなふうに作業台に並べて一気に塗りあげます。
しっかり染み込むように2度塗りを忘れないこと。
今回は油性のソートを塗りました。
干し柿さん家での薪棚作りは計7日ほどかかりました。
真夏のクソ暑い中、頑張りました!
なによりも干し柿さんに感謝感謝です。
ほんと汗だくで棚作りを進めていただいて、なおかつ指導までいただきました。
さぁいよいよ薪棚作りも大詰め。
べっちゃん家に加工した資材を運び込み施工開始です。軽トラ2往復と乗用車2往復くらいしました。
これだけ大きな薪棚なので地面に直接置くのではなく、事前に基礎は作っておきました。
レーザー墨出し機という代物を使ってサクサクと水平をとります。
レーザー墨出し機はもう何度も使ってるのでお手のもの。
今回は地面を鍬で掘り下げ、砂利を敷き、その上に30×30の平石を置くだけの簡単な基礎。
そこへ組み上げる順番に木材を並べていきます。
このへんとか秀吉の墨俣一夜城を彷彿とさせませんか??ニヤニヤ。
とにかく僕もバリバリ作業しながらなので写真がかなり飛んでしまいました。
一息ついたときの写真がこれ。
いきなり屋根が付きました。笑。
横から見るとこんな感じ。
組み上げ当日はお義父さん、お義母さん、干し柿さん、干し柿さんの奥様、僕、奥さんの6人で挑みました。
これを大人5人で立ち上げます。奥さんは撮影係。
おぉーー!!!クララ(薪棚)が立ったー!!
ほんとは動画も撮ったんですが添付の仕方がわかりません。。。
さらにまだまだ木を組んでいきます。
縦に横にと組み上げてましたがギシギシ揺れるねーということで急遽、筋交いも入れてみるとしっかり安定。
ここに薪がびっしり入れば5トンくらいは入るのでさらに安定するだろう。
熱中症対策のため適度に休憩を取りながら夕方には見事に完成しました!!
思わず記念撮影。
縦1200×横3000×高2500の巨大な薪棚の完成です。
もはやオブジェ!?
いや外壁張ったら住めるんじゃね?くらいの堅牢な造り。
出来上がったその日から、長男坊なんかはさっそく登って遊んでいます。笑。
ご近所さんからも『これなに!?』と声をかけられる。
そりゃそうよねー。
こんな巨大なもんがいきなり出現したんですもの。笑。
さぁそろそろまとめ。
今回使用した材料
本体部分
120×120×3000の角材 4本
120×120×2500の角材 6本
120×120×1200の角材 6本
900×450×1200の角材 4本
140×900×1200の板材 44枚
120×120の角材(筋交い用:長さは現場で決めた) 2本
300×300の平石 6枚
20キロバラス 1袋
屋根
900×900×2000の角材 3本
450×450×4000の角材 5本
ポリカーボネート7尺 7枚
ポリカーボネート用釘200入り 1箱
こうして見るとすごい量の木材を使ってるねー。
木材だけで300キロはゆうにある。
さて。皆さん気になるお話です。
実際どれくらいかかってんのか?って話ですよね。
これ材木屋さんやホームセンターなんかで揃えるとおそらく10万円超え。もし、ここに金具が入るとどんな金具がにもよりますが後2万円くらいはプラスされるんじゃないかな。
しかし、今回、べっちゃん家の薪棚作りは、干し柿さんが加工、技術指導だけではなく、本当に多くの木材を提供してくださり、また僕ん家にあるリノベに使った残りの木材とかを駆使したのでかかった実際にかかった費用は。。。2万円がいいところ。
ほんとに感謝!感謝!です(感涙)