こんばんわ。
高知で古民家暮らしを始めたべっちゃんです。
先日、古民家を買ったときに付いてたオンボロ倉庫を物色していました。自分ちの倉庫なのにちょっと怖かったりします。だってこのたたづまいですよ(笑)
こえぇぇぇぇ!!!
奥さんなんかは『なんか出てきそうやから入りたくない!』って普通に言っちゃう。
なので入口付近はものを保管したりして使っているんですが、奥のほうはほんと手つかずだったので整理しないといけないなぁと思いながら月日が流れてしまいようやく重い腰をあげてゴソゴソし始めた矢先。
ん!?わりと大きな箱が2つあるではないか。
箱と聞くとお宝の予感がプンプンするの僕だけだろうか。いや男ならだれでもワクワクするはずさ!!そうワンピースのように!!
オンボロ倉庫の奥でニヤニヤが止まらない。
蜘蛛の巣とススまみれになり、いかにもお宝の雰囲気が醸し出した一つ目を開けてみる。
おぉこれは!?!?!?!?!?
高知特有の皿鉢料理を盛り付ける用の超大皿が大量に出てきた!!
1枚、2枚、3枚。。。えっまだあんの。。。
結局、形が違うものが合計8枚。。。こんなにどないすんねん。。。この量の皿に料理を持ったら何人前あるねん。。こんな小さな古民家にそんなに人が入れんぞ。。。先の住人はどう使っていたのか。。。
なんだなんだこの新聞紙にくるまれたものは!?
ワシャワシャワシャと開封してみるとおぉこれは仏具だな。。。ムムム。。。鶴丸の御紋。。。これは日蓮正宗の。。。ということは先の住人は熱心な創価学会員だったのか。。。
箱の中はこの程度だった。
ガッカリ。。。
まぁ皿鉢用の大皿はなんかに使うかもしれないからええもんゲットできたかな。。。。仏具って不燃ごみで捨てれるのかしら。。。
さぁ気を取り直してもう一つの大きな箱を開けようと試みる。
がしかし、箱の上にいろんなものがONしてるもんだから全部おろさないといけない。。。
狭いし暗いし。。。
ジーザス。。。
今日はあきらめよう。またぎっくり腰になったイヤだし。。。なんて言いながら引き上げようとしていると
なにこれ!?
そこそこでっかいモノが。
とりあえず持ち上げてみるが
おっもぉぉぉぉ!!!
足の踏み場もない状態の倉庫の奥の方から引っ張り出してきたのが一枚の大きな物体。
汚れてて黒ずんでるというかどう甘く見ても”黒”としか表現できない。ただ質感などから見てもどうやらこれは木の板だ。
大きさは120センチ×50センチくらいなので手で持てるサイズ感なのだが分厚いので重さがけっこうある。
う~ん。汚い。
ホコリ?スス??まみれだし。。。とにかく重い。。。なんのための木の板なの??こんなもん倉庫にしまってなにをする気だったんだろうか。。。まぁこれも薪にしてしまうか~。先の住人はこれをどないしようとしてたんや。。。
なんて感じで倉庫物色に疲れたので諦めてお家へ帰るべっちゃん。
それから数日が過ぎた。
前回マニアックな読者の皆さんからご好評をいただいたこちらのブログ。
ここに登場した元家具職人の通称『干し柿さん』がべっちゃん家に遊びにきてくれました。
その日は大阪名物串カツパーティーでおもてなし。目の前で僕が一本一本揚げていく大阪創作串カツスタイルだ。もちろん2度付け禁止の特製ソースにキンキンに冷えたキャベツ。
あぁこれだけで新世界の香りがします。
実は高知に来てもう何度も串カツパーティーを実施している。やっぱり珍しいし、みんな家で食べたことないのはもちろんそもそも食べたことないって人もいて皆さんが喜んでくれるのがうれしくってめっちゃやってます(笑)
話はそれましたが干し柿さんがきたのでふとあのクソ重い板のことを思い出した。
僕:『そういえば干し柿さん!倉庫でめっちゃ重い板、見つけたんですよ。一回見てもらえませんか?』
倉庫まで案内して現物を見てもらった。
僕:『これなんですけどね~。もう真っ黒でしょ。薪くらいにしかなりませんかね?』
干し柿さん:『あぁ確かに汚いし、古いもんだね~。汚れててなにかわからないけどコレ、薪にする前に一回キレイにしてみようか?機械で削ってみるよ!』
僕:『あわよくばテーブルになったりしませんかね~(笑)』
なんて冗談半分でこの板をお言葉に甘えて削ってもらうことになった。
日が変わって板を削ったから見においで~とお誘いいただき見に行きました。
おぉ。
どす黒く汚れた面がなくなって木の肌で出てる!傷んでるところもあるけどずいぶん赤い木なんだなぁ。この木はなんの木なんだ。気になる気になる。。。
干し柿さん:『腐ってるところもあるけど結構厚みがあるから削っちゃえば全然、小さめのテーブルくらいにはなるよ。僕もなんの木かわからないけど赤みを帯びた木ってのは腐りにくいんよ、そしてこの木見てみ。年輪が非常に細かく刻まれている。こういう木はゆっくり育ってる証拠。だから丈夫で耐久性があるの。これけっこうイイもんだよ。薪にするのはもったいない!』
僕:『おぉ!!!思わぬところから宝物がやってきましたぁ!!僕、これ磨いてローテーブルにでもします!ありがとうございます!!』
干し柿さん:『でもちょっと待って。。。ひとつ問題がある。。。』
僕:『えっ。。。』
干し柿さんから指摘されたところをよくよく見てみる。
パックリと割れているわけではないがヒビが入ってる。
どうやらこれが木の『割れ』というものらしい。
今は割れていないが木をいうものは湿気と乾燥で伸縮するためいずれパックリと裂けてしまうというのだ。。。
さすがに数十年前の一枚板。生えてた時から数えると100年とか超えてるであろう日本男児はそうやすやすとローテーブルといったような横文字の机にはなってくれない。
僕:『じゃあやっぱり薪ですかね~??』
干し柿さん:『いや。。。方法はある。手当てしてあげたらなんとかなるんやけどね。けっこう時間かかるよ(笑)べっちゃんやる気ある!?』
僕:『えっ治るんですか?そりゃやります!!お金はありませんが時間とやる気だけはめっちゃあるんで!笑』
干し柿さん:『じゃあ手当て行いましょう!』
ということで腹が裂けそうな一枚板くんを救うための緊急手術が施されることになったのだ。一応、主治医は僕。院長という立場で干し柿さんがレクチャーしてくれることになった。
手術内容を説明しよう。
裂けそうな患部にチギリというものを埋め込んでこれ以上の裂けを防止するというもの。
チギリってのはこういうもの。
この時、チギリの杢目の方向が重要になってくるので気を付けて。
蝶々型?リボン型?っていうんですかね。これを作るだけでもめっちゃ大変。角度をつけてでっかい丸ノコ盤を使って削っていくんですが機械の扱いは干し柿院長によるオペレーション。まだまだ触れさせてもらえるような機械じゃない。
こいつを手当てする箇所の分だけ作っていく。
そして割れの部分に埋め込んでいくのだ。
自分でやりながらなので詳しく写真が撮れていないんですがようこんな感じになります。
板にこのチギリの大きさとちょうどの大きさを掘っていくんです。ドリルやノミを駆使して少しずつ削り取りすぎないように慎重にやっていく。もちろん一発勝負だから緊張するし、数ミリ単位の精巧さが求められる作業なので大変。もちろんここでも干し柿院長の目は厳しく光り、いろいろとご指導をいただきました。
掘れたらそこに木工ボンドを流し込んでチギリをハンマーで打ち込む。
隙間なくバッチリはまったときの快感はなんとも言えない。
この飛び出した箇所はのこぎりなんかで切り落としてから研磨をかけることでつるつるに。
研磨は#120→#240→#320の順でかけていく。
今はここまででストップしてます!
めっちゃ良くないですか??
テンションあがりまくりで、もう仕事なんてそっちのけでこっちにかかりっきりになりたいモード出てます(笑)
今週、いよいよ大詰めの塗装やら脚をつけたりする予定なのでまた更新しますので乞うご期待ください!