高知で田舎暮らし始めましたブログ

大阪生まれ大阪育ち。生粋の大阪人。そんな僕が念願の田舎暮らしのため家族を連れて高知県へ移住。その中で思うことをつらつらと書いていく田舎暮らしブログ。

飲食店経営のお話。本物の覚悟はあるか。

飲食店の始め方について、【覚悟】ということについて僕なりの考えをここへ綴っていこうと思います。

 

 

コロナウイルスで飲食店の存続が危ぶまれている。

僕の古巣、大阪では福島区にある3つ星レストラン『HAJIME』の米田シェフらが中心メンバーになり、飲食店救済の署名活動を行い、政府に訴えかけてくださっていたりする。

 

 

今、僕は行政側の立場にいますが『やれ、補助金だ!』『やれ、給付金だ! 』と言う話が毎日のように上がっているがようやくお国からの概要ができはじめたばかり。

 

 

概要を読んでみてもセーフティネット4号、5号。。。

 

 

前年対比50%減。。。

 

 

非課税世帯。。。

 

 

細かいし、対象になるの?ならないの?

 

 

などなど。。。

 

 

というか補助金や給付金を困ってる人に届ける前に廃業しちゃうお店でてくるよ。

 

 

困ってる人を救済する法案がそんなノロノロやっててどうすんの??って正直、思う。

 

 

本末転倒。

 

 

そんな中、もし、今、自分が飲食店を経営していたらということをよくよく考える。

 

 

当時の僕のお店は地下にあり、狭い店内だった。

そうそれはいわゆる絶対避けましょう【3密】のド典型なお店だ。

 

 

そんな状況なのでおそらく休業してただろうと思う。

 

 

もしくはテイクアウトだけ。。。ん~。。。付け焼き刃ではそれもほとんど収入が見込めないだろうしなぁ。。。

 

 

いややっぱり休業してただろうなぁ。

 

 

そうなると持ちこたえて3ヶ月~半年くらい。

もちろん、家賃交渉やその他諸々、手を尽くした上での話。

 

 

 

これがおそらく自分のお店の現状。

 

 

 

厳しい。。。あまりにも厳しい。。。

 

 

 

先の見えない中、コロナ騒動が半年続けば廃業確定。

 

 

 

もちろん、国の援助や金融機関の融資などが今よりもっとスムーズに進み、さらに手を尽くせば延命、もしくは再起は可能だろう。

 

 

 

しかし、どどの詰まり、最後は自分でなんとかするしかないのだ。

 

 

 

それが社長。自営業。フリーランス

 

 

飲食店オーナーさんの中には、他に事業をやっていたり、資産運用をしたりして、他の収入のある方は当然、持ちこたえられる可能性はあるんだろうが、僕なんかは飲食だけしかやってなかったので本業以外に収入はない。

 

 

備えあれば憂いなし。

 

 

とは言うもののそんな潤沢な備えをみんながみんな持っているんだろうか?

 

 

 

 

飲食を始める方にこんな不測の事態まで考慮に入れて始めなさい!なんて言うつもりはありません。

 

 

 

しかし、確実に言えるのはこんな状況でも自分でなんとかするしかない!ってこと。

 

 

 

昨日も電話で大阪の異業種の経営者さんとお話ししました。今は直接的なコロナのあおりは受けていないというものの1ヶ月先の仕事はまったくの白紙。

 

 

 

先の見えない中、みんな踏ん張って、頑張って、なんとかしようと必死。

 

 

 

この覚悟。

 

 

 

この確固たる覚悟が大事。

 

 

 

『一番苦しいときこそ他人を頼るな。自分で切り開くしか道はない。』

 

 

というある経営者の言葉がある。

僕がまだお店を経営してたとき、ほんとにほんとに辛くしんどい時があった。人に裏切られ、お金が無くなり、どうしようもなくて負のオーラで飲み込まれそうになったとき僕はこの言葉に救われました。

 

 

 

必死にもがいてもがいてもがいて、どうにかこうにか危機を脱出することができた。

 

 

 

もちろんたくさんの人に助けてもらったし、あのとき助けていただいた人たちへの感謝は今でも忘れない。

 

 

 

他人にまったく頼るな!ということじゃない。

 

 

 

僕1人じゃなにもできないけど自らが立ち上がり、奮い立つことが大切なんだと。熱意だけは誰よりも持つこと。

 

 

 

そうすれば必ず助けてくれる人はいる。

 

 

 

あぁこういうことなんだなぁ。と。

 

 

 

おこがましいことは甚だ承知だが、経営の真髄というものがほんの一端、わずか数ミリかもしれないがわかった気がした。

 

 

前代未聞の危機を前にしても決して折れない『覚悟』を持った人たちが今、闘っている。心から応援したい。なんとかしたい。

 

 

そして早く、1日も早くこの状況が好転することを切に願っています。

 

 

覚悟を持って経営に挑む!!コレに尽きると思います。

飲食店経営のお話。都会と田舎の雇用について考察してみた。

今週から道の駅の特産品アイスの製造のお手伝いをすることになりました。

 

理由は簡単、『人材不足』です。アルバイトさんがいないのです。

 

大阪時代、僕もこの人材不足に関しては本当に苦労しました。

幸いなことに働いてくれた女性スタッフは【気立て良し!仕事が速い!カワイイ!】ばかりでしたね。男性スタッフはけっこう厳しい子たちが多かったですが。。。笑

 

まぁとにかく人口の多い大阪でも大変だったので田舎の人材不足は深刻な問題ですよ。

 

ただ僕が見ていて思うのは深刻な人材不足なのはわかるんですが従業員に対しての接し方、つまり雇う側も都会と田舎では大きな差があると思います。大企業だとか個人事業とかそういう会社の大きさを言うてるわけじゃないです。

 

今日はこのへんについて書いていきたいと思います。

 

 

まずは雇われる人の現状から。

 

これは一長一短ですね。

 

都会だともちろん人口が多いので確かにたくさん雇用するチャンスがあります。事実、大手のカフェなんかが新規オープンで大々的にお金を広告するとそこそこ人が押し寄せてくるみたいです。とは言え昔とじゃ比較にならないくらい少ないみたいですが。

 

しかし、そのぶん選択肢が多いのも事実。時給をとってもそうだし、働きたいときに働ける環境だったり、アクセス、利便性、もっといえば飲食店じゃなくたって五万と求人募集があります。

 

この多くの強豪(企業)の中で選んでもらわなければいけないのでそれはそれは大変なことです。小さなお店が求人広告を出したところで問い合わせすらないなんてこともザラにありますよ。実経験!!

 

さらに、これだけ選択肢があるので雇われる人も色々と経験していて目が肥えています。あそこの会社だとこういう待遇だったとか、法律的なことだったりとか。もちろんそれでいいと思いますし、企業と従業員がフェアな関係じゃないといけないと思います。イヤなら辞めて次のところですぐ働けちゃいますもんね。

 

 

 

お次は田舎の場合。

 

当然、人が少ない。

少ない人口を企業同士がなんとか取り合ってるといった現状です。

 

しかし、取り合っているといっても都会の企業数に比べれば雲泥の差。圧倒的に少ない。なので雇われる人も非常に選択肢の少ないなかで働いているのが現状です。時給は安いけど家から近くて働けるのはここしかないだとか、アルバイトなのに家から車を1時間とか飛ばして来たりだとか。ちょっとびっくりします。

 

そして、選択肢が少ない分、雇われる人も目が肥えていません。いや肥えているが言えないという現状もあるのかもしれません。有給休暇や交通費なんかについてもけっこうルーズだったり。きっちりとやっているところもあるので一概には言えませんがそれでも働く企業数が少ないのである程度、まかり通っちゃいますよね。そんな印象です。

 

 

次は雇う側ですよね。

これは圧倒的に都会のほうが企業努力を感じます。

コンプライアンスや働き方の多様性がどうだとかそんな話って田舎からまず初めに発信されたりしますか?もちろん田舎の企業でもそうしたことを当初からやってるところもあるとは思いますがやはり、都市部から話が上がってきて地方へ拡がっていく印象です。

 

でも都会でも田舎でもおんなじ企業体だし、情報なんて今の世の中いくらでも掴めるんだからこういう波が田舎から起こってもいいですよね?でも起こらないのはやはり企業努力のような気がします。

 

雇用についても都会の企業のほうが圧倒的に本気。待遇はもちろん、人材獲得の姿勢だってそう。

田舎の会社でインスタグラムのフォロワーが多いから採用に有利です!なんて聞いたことありません。

でも事実、とっても大事なことだと思うんですよね。そういう個の能力って。

 

ちょっと話が大きくなったのでもう少し、小さな視野で書こうと思います。

 

飲食店でバイトしよう!と思ってもらえる理由を僕なりに考えてみました。

 

 

1、時給が高い

なんといってもバイトはこれにつきる!って人も当然いるでしょう。だって24時間しかない貴重な時間を切り売りしてるんですから。

 

 

2、能力が身に付く

やっぱり飲食店ならではの特殊技能が身に付くって理由もあると思います。例えば魚や肉をさばけるようになるとか、コーヒーの入れ方だとか。はたまた経営だとか人脈だとか。そういうことを目的として働く人も多いと思います。

 

 

3、楽しいかどうか

ここなんですよねー!1番難しくて1番大事なところ。実際問題、ここで飲食店さんは勝負しないといけないと思います。だって時給だったら10,000円出せるところが勝つでしょうし、魚さばく能力を身に付けたい人がスターバックスでは働きませんよね。上記の2つは0か100なんですよ。

 

楽しんで働いてもらったり、自分のやりたいことを実現してもらったり、スタッフ同士やお客さんと仲良くできたりお金以外の楽しいなにかプラスアルファがないとなかなか長く働いてもらえないですよね。少なくとも僕は働いてくれる人に対していつもこんなことを考えてたつもりですし、そんな会社やお店をたくさん見てきました。

 

他にも求人情報はもちろん、人材確保のため、大学や専門学校へ求人票を提出したり、スカウトしたり、いろんなところに声をかけたり、ツテをたどったりみんな必死のパッチでかけまわってます。

 

それでも僕もそうでしたし、他のお店を見ていても人材確保というのはほんとに大変なことです。

事実、僕もお店を閉める最後の最後まで悩みのタネであり、解決できなかったのが人材確保でした。

 

なので田舎の飲食店なんかは少し楽しく働いてもらえることを考えたらまだまだ雇用が増えるんじゃないかと思うんですよね。まだまだ余地があると思います。もちろん雇用ってのは人と人のお付き合いなので楽しさだけじゃなくいろんなことを考えないといけないのんですがまずは、楽しく働いてもらう環境作りが大事。

 

この期間にそのへんをうまく伝えれるようにおせっかいなおじさんは頑張ってみようかなと思います。

 

 

 

 

カフェオーナーが選ぶ!これさえ持ってれば大丈夫な包丁をご紹介。

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久々の飲食店経営シリーズですがちょっと毛色が違うお話をしていこうかなぁと。なんで包丁の話なんだ?!って言われるとこの前、僕の大好きな番組『プロフェッショナル仕事の流儀』で佐賀県に住む包丁研師さんの回があってね。あぁやっぱり包丁って素晴らしいなぁと物思いに耽ってたので今回はこんな記事になりました。

 

さて、話を本筋に戻しましょう。

 

お店を経営するだけなら必要ないんですが僕のようにオーナー兼料理人だったりするとどうしても必要になってくるのがこの包丁。

 

そしてひとえに包丁と言ってもまぁほんといろんな種類があるんです。

 

このブログでは星の数ほどある様々な包丁から

 

『これを持っていてば大丈夫な包丁』をしっかりとご紹介していきますのでどうぞお付き合いくださいね。

 

まずはやっぱり日本の料理人と言えば和包丁が脳裏によぎりませんか。

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(青木刃物製作所さんのHPより参照)

 

見てくださいこの包丁美。銀色に輝くこの芸術品。く~っ!!かっこええですよね。

 

三徳包丁、柳刃包丁、出刃包丁、むき身包丁などなどとにかくザ・和食!!って言う感じの包丁たちがづらりとあります。

 

中にはウナギを切る専用の包丁だったり、鱧を切る専用の包丁だったりと種類はかなり豊富にあります。

 

素材も鋼やステンレスなど様々なものがあり、鋼は硬いが非常にサビやすくお手入れがとっても大切。ステンレスは鋼ほどの硬度はないけどサビにくいのが特徴。

 

とまぁかっこええ和包丁を紹介しましたけど。。。

 

カフェをやるならまったく必要ありません。爆

 

じゃあどんな包丁がいいのか。これは家庭でも絶対おすすめなので是非、参考にしてください。

 

これが僕がつかっていた包丁。(今もお家で活躍しています)




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いわゆる洋包丁というジャンルの包丁です。

その名の通りイタリアン、フレンチなど洋食と言われるジャンルに使われる包丁。もちろん洋食でも魚も捌くし、野菜も切る。なのでこの洋包丁でまったく問題なし。

 

 

その中でも牛刀包丁ティーナイフ

 

これさえあればもうどんな料理にも対応できる最高の組み合わせです。

じゃあなぜ、最高の組み合わせなのかということをご説明していきます。

 

 

まずはこの牛刀包丁

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(堺一文字光秀さんのHPより参照)

 

 【グッジョブポイント1】

この包丁の特徴はなんといっても刃渡りの長さ。

この長さが超絶活躍してくれるんです。包丁って押すなり引くなりして切りますよね。この刃渡りが長いつまりストロークが長いので一刀でサクッと切れるんですよ。

 

特に肉の塊なんかを切るときには重宝します。なかなか家庭では豚肉のブロック5キロとか買わないですがカフェだとランチ用にブロック肉を自分カットしたりすることも多々あります。

 

お家だとキャベツとか切るときはこいつの出番ですね。丸々大きなキャベツをガシガシ切れちゃいます。

 

高知だと結構デカい魚とかもらうこともあるのでこいつがいてくれたら助かりますね。

 

【グッジョブポイント2】

そしてもうひとつの特徴が刃先が尖っているという点ですね。

これによって大きな包丁なんですが細かい繊細な使い方ができるのも大きな利点のひとつだと思います。

 

 

そしてもうひとつ。もうね。

 

 

こいつが『キング・オブ・ナイフ』ですわ!

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(堺一文字光秀さんのHPより参照)

 

そうペティナイフ

 

はっきりいってこの包丁ほど重宝する包丁はありません。

これは飲食店、特にカフェをやる人なら絶対に持っておいてもらいたい超絶オススメの包丁。

もちろん家庭で使う場合もこのペティナイフは主席優等生になります。

 

【グッジョブポイント】

先程の牛刀とはまったく正反対の刃渡りが短く、とっても軽いのが特徴。

このペティナイフは大きいものを切るのは苦手ですがよくよく考えてみてください。

大きな食材ってそんなにありますか?トマトやりんごやレモン、たまねぎやピーマン、ニンジンなどなど。。。僕のお店もそうでしたが割と小さい野菜や果物といった食材を調理することが多くありました。

 

さっと野菜をカットしたり、ぱっと果物の皮をむいたりするときに非常に便利。

もちろんアジやサバ、今の時期だとサンマなんかの小さめな魚は当然、これ一本で簡単におろせちゃいます。

 

とにかく使える包丁なので使用頻度は抜群に高いです。

また、特にこだわりがなければ是非、ステンレス製のものをオススメします。トマトやフルーツなんかはとても酸が強い食材なので。

 

そして、包丁屋さんに言われたのはペティだけはええやつ買っておいたほうが間違いないと言われました。これは買ってみて、使ってみて、心底、実感できました。

 

 

この牛刀包丁とペティナイフお互いの弱点をそれは見事にかばいあった最高の包丁ペアなんですよ。

 

じゃあその中間の包丁があったらええんじゃないか。。。なんていう発想が出てきそうです。それがおそらくよく家庭で使われているこの三徳包丁なんじゃないでしょうか。

 

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(堺一文字光秀さんのHPより参照)

 

もちろん家庭で使う分には申し分ないかもしれません。

 

しかしカフェや飲食店なんかは一日のうちほとんどが仕込みに追われる毎日だと思います。ですので食材にあった包丁を使い分けることによって食材の味や美しさはもちろん自分の疲労度なんかも雲泥の差が出てきますので是非、まずは牛刀包丁とペティナイフを買ってみてはいかがでしょうか。絶対に損はしないと断言できます。

 

もちろんお家で割と料理するほうなんだ~って人は毎日使うこの道具を少し使い勝手のいいものに変えるだけで料理も楽しくなりますよ。

 

最後におじさんの小言を。。。笑

 

いい包丁をゲットしたならその包丁たちをしっかり愛でてあげてくださいね。

 

つまり、研いであげてほしいということです。

 

僕が今、携わっている飲食店さんなんかはまったく包丁を研がないんですよ。

なので暇を見つけたら僕が研ぐようにしてるんですがなかなか浸透しない。笑

 

包丁は自分たちが絶対、毎日使う大事な大事な仕事道具です。

武士にとって刀は命だったように料理人にとって包丁は命とも言われるようなモノです。特に日本料理の世界においては包丁はとても崇高なものだというお話も聞きます。

 

まぁそこまで想う必要はないかもしれませんが大切な道具であることには変わりないので包丁を買ったもしくはすでに持っていらっしゃるなら月に1回でもメンテナンスしてやってくれたら嬉しいなぁと思います。

 

 

カフェの始め方。コーヒー豆はいったいどこから!?

思いつきの飲食店の始め方シリーズ。笑

 

久々に書いていこうと思います。

 

カフェを経営するあたってコーヒーってのは多くの場合、切っても切れない存在ですよね。

 

そんなコーヒー豆についてのお話です。

ただし、これはどこの産地がどうだとか焙煎がどうだとかいう話ではないです。

 

ちなみに僕はコーヒーが好きです。

近畿圏で美味しいコーヒーが飲めると聞けばその店に必ず飲みに行ってたし、お気に入りのコーヒー屋もあった。コーヒーのみならずエスプレッソにも興味があったのでどんなマシーンを使ってるだとかそのへんもいろいろとお店巡りをしたもんです。

遠方だとコーヒー豆を取り寄せて自分で入れて飲んでみたりした。

 

その中で、イタリアンよりフレンチローストやなとか。シアトル系が合ってるのかなとか。マシーンで出した方がええのかペーパードリップのがええのか、はたまたネルドリップのほうがええのか。当然、技術は勉強に行きましたけどね。

 

とにかく試行錯誤してる内に好みがはっきり出来てきて、そうなると自分が美味しいと思う店にしか行かなくなる。そして、自分の店でも自分の舌に合うコーヒーをセレクトしていた。

 

 

それくらいのレベル。笑

 

 

おそらくコーヒーを極めし人なんかと比べると偏差値は全然低い。

 

ブラジルやコロンビアの何々農園のスペシャリティコーヒーを買い付けて自分で焙煎してみたいなことまではしたことはありません。

 

自分で何種類もブレンドしてお店独自の味を追求!!なんてこともしたことありません。

 

バリスタの大会なんかにもまったく興味がありません。

 

という感じのコーヒーレベルだと思っててください。笑

 

なのでコーヒーのウンチクなんかは語れるはずもないので、正確にはコーヒーメーカーさんのお話になりますのでその辺をご理解ください。

 

僕がカフェを経営していた時、コーヒー豆を大きく3回変更していました。試飲だけなんかも入れたら10社くらいはあったんじゃないでしょうか。

 

まず開業したての頃は

 

<大手コーヒーメーカー>さんと半年ほど商売させていただいていました。

 

コーヒーの味は5種類ほど試飲して気に入った深煎り系の豆をチョイスしていました。

 

値段もそこまで高くなく充分、利益は出せる商品でした。しかし。。。営業マンがまったくこないのです。最初の納品だけで後はカタログを置いて、必要だったらファックスしてください。ヤマト運輸で配送しますから!という形式。

 

いいですか!仕入れ業者さんをただ商品を仕入れるだけで終わらせていたらもったいない。

 

彼らは何十、何百とカフェを相手しているんだからそこには超絶、貴重な普通ならなかなか知り得ない情報を持っているのだ。

 

コーヒー屋さんだけに限らず、酒屋もそうだし、八百屋もそうだし、おしぼり屋さんなんかもめちゃくちゃ飲食店に詳しかったりする。

 

こういう情報はキャッチしてて損はない。

 

しかし、これがまったくないのだ。

たまにDMが届いて今月はこれが安くなってます!みたいな情報やイベント、展示会のお知らせだけが流れてくる始末。

 

小さい店だから足元を見られたのか!?

 

とにかくこれは困るなぁ。。。コーヒーの知識もそうだしもっと情報がほしいなぁ。。。なんて悩みが出てきた。

 

次に商売させてもらったのが

 

<個人コーヒーメーカー>

紹介や直接、お客様として来店され営業してくださる個人コーヒーメーカーさんがいらっしゃいました。

 

個人でやられてる方はとにかくコーヒーに関しての知識が深煎りどころの話ではない。

なんちゃら農園の何歳くらいのなんていう外人が作ってます!やらとにかく知識がめちゃくちゃある。

 

話してるだけでこの人はめちゃくちゃコーヒーが好きなんだなぁってビンビン伝わってきた。

 

なのでこういう熱い人も大好きなのでお取り引きをさせてもらうようになった。もちろん、味はお墨付き。

 

ところがまずコーヒーメーカーと言えど仕入れから焙煎までは個人(ひとり)でやってるので当然、体調を崩すこともあるし、お休みだって必要だ。

 

幸い、カフェ仁音でお取引きさせていただいていた個人オーナーさんはそこまで穴をあける人ではなかったがそういうことはよくある話。だって僕自信も個人のカフェオーナーなんでよくわかる。

 

そしてやはり値段が高い。当然、個人なんで薄利多売よりも高利少売が大原則。

 

後はコーヒー知識は申し分ないがカフェマーケットの情報量は俄然、少なかった。もちろん納品にもこれるはずもないので郵送で配達。これもある意味、当然ですよね。

 

このまま使い続けてもよかったのかもしれないし、今の僕ならこういう個人オーナーさんの豆を使いたいし一緒に頑張って行きたいと思う。

 

でも26歳で開店1年そこそことかいう必死のパッチ状態の僕には頭ではわかってるんですがなかなか受け入れることが出来なくなりました。

 

続いて商売させていただいたのが

 

<中堅コーヒーメーカー>さん。

結局、その後もいろんなメーカーさんの試飲やお話をしましたがこちらのコーヒーメーカーさんとずっと商売させていただくことになりました。

 

ここの最初の担当営業の人がちょっと変わってておもしろかったので商売させてもらったみたいなところもありましたけどね。笑

 

まぁ飲食店なんで担当営業マンがごはん食べに来たり、お茶しに来たりってのは社交辞令も含めあるんです。

 

でもこの営業マンは勝手にバンバン宣伝してくれて、本人いないのにうちの店で合コンパーティーを何回もやってくれたりとにかくマジで変わった営業マンでした。見た目は普通の中年のおじさんよ。笑

 

コーヒーの知識はそこまで深くなさそうでしたけど『私はこれが美味しいと思います!』って自信満々に持ってくんの。それがあぁ確かに美味しいね!ってなる。僕の好みとかはしっかり聞き取りしてくれてたからね。値段もそこまで高くない。

 

 

後はカフェ情報が凄かった。あそこの店は儲かってますよ!!

今度、どこどこにできるお店はどこのメーカーの豆使ってるだとか。

カフェ仁音さんとおんなじ豆使ってる○○って店は月1年0kgとか注文入りますよ。あそこは見せ方がうまいんですよー!などなど言っていいのか悪いのかわからない情報。タブーだろ?みたいなことまで色々と教えてくれた。

 

そんな理由から僕はこのコーヒーメーカーさんに決めて長くお取り引きをさせていただきました。

 

 

どういうコンセプトでカフェを始めるか。

コーヒーひとつとってもしっかりとした拘りをもっていらっしゃる方はバシッと決めてから始めるべきでしょう。

 

しかし僕は甘かったんでしょうね。そこまで考えきれてなかった。だからカフェなのに3回もコーヒー豆を変えることになったんだと思います。

 

でもこれもいい経験だと思うんです。聞いただけ、見ただけじゃなく、実際に仕入れて売って困ってまた改善して。

 

そんなふうにしたからこそ自分が納得するコーヒー豆、コーヒーメーカーさんに出会えたんじゃないかと思います。

 

読んでいただいた方に少しでも参考になれば幸いです!!

 

この後もいろんな仕入れ業者さんとの秘話をご紹介したいなぁなんて思ってますんで興味ある方は覗いてみてください。

 

個人経営のカフェビジネスの本質を大公開!!

高知の田舎暮らしブログがメインなんですがちょこちょこ小出ししている飲食店の始め方シリーズもけっこう人気があるみたいです。前回、書いたこの記事

 

beeeee1600.hatenablog.com

 

なんかも色々と反響をいただきました。どうなんでしょうね。

イイ話も書いてるんですがこういった失敗談や苦い経験談も書いていったほうがおもしろいんでしょうかね。まぁこのシリーズはほんと気が向いたときに過去を思い出しながらじっくり書いていますんでスローペースにはなりますが引き続き読んでくださることを願っております。

 

 

さて今日はカフェビジネスなんてもんについて語ってみたいと思います。

ここでは細かい数字なんてもんはお話するつもりはないので興味ある方はそのへんはしっかり自分で調べてくださいね。

 

カフェといえばなにを思い浮かべますか?

オシャレ?居心地がいい?ゆっくりできる?可愛いデザート?美味しいコーヒー?

 

皆さん、様々あると思うんですが実際に来られたお客様や僕の経験上、一番、重要視されるのは【居心地】なんじゃないかと感じます。少なくとも僕が経営していたカフェ仁音はそういうお客様がたくさんおられたように思います。

 

家庭でもなく、会社・学校でもない。

もうひとつの自分の場所【サードプレイス】的な要素がかなり強い。

 

これが個人経営のカフェの最大の魅力だと思います。

いきなり結論出しちゃいましたね。笑

 

ここでカフェビジネスのお話もちょっとしておかないとね。

 

飲食店って日本に約67万店あるって言われてます。

いきなり厳しいこと言いますけどこの中で単純に『食べ物が美味しい』というだけの理由で流行っているお店っていったいどれくらいあるんでしょうか。

 

もちろん統計なんて取ったことないし、自分が経験した範疇でしかわかりませんがおそらく5%未満くらいなんじゃないでしょうか。

ありましたよね。店内私語禁止、水も飲むな!みたいな頑固なラーメン屋さんとかね。

 

しかしあとの95%は『味』だけじゃないんですよ。

だってそうでしょ?味がそこそこでも儲かってる飲食店なんてのはめちゃくちゃある。

じゃなきゃ僕が週末に家族と並んでまで食べる回転寿司屋さんとかもうなくなってるでしょ。笑

 

もちろん念を押しておきますけど味の追求ってのは忘れちゃダメですよ。

 

じゃあ後の95%くらいはなにか?当然、飲食店にお客様は食事をしにきてるんだから目的は食事。まずはここはしっかりと抑えておかないといけない。はっきり言うと『まずいもの』は出してはいけない。『品切れです』なんてのも基本はダメ。

 

そしてここからいろんな飲食店さんのいわゆる『おもてなし』が鍵を握るんですよ。

要は飲食店の成功の鍵は『食事をさせる』ことだけにあらずってこと。

 

早く食べたかったり、とにかくお腹を満たしたいだけだったり、癒しを求めていたり、ゆっくりしたかったり、1人になりたかったり、友達とおしゃべりしたかったり、店員さんと話したかったり、特別な気分を味わいたかったり、大切な人と過ごしたかったり、お祝いしたかったり。。。

 

もうね。多種多様すぎて書ききれない。

 

 その中でもカフェは特に『食事をさせるだけにあらず』が大切なんではないでしょうか。

 

カフェで食事を提供している時によく『カフェって専門店じゃないもんなぁ。だから結局、メニューに関しては専門店にはかなわない。』ということを他の飲食店オーナーさんに言われました。

もちろんお声をいただく飲食店オーナーさんはすし屋さんだったり、ラーメン屋だったり、焼き鳥屋だったり、barだったり、うどん屋だったり。。。皆さんそれぞれ尖った商品、これで勝負だ!!みたいな商品で勝負されている専門店だ。

 

もちろんカフェにもこだわりのケーキやハンバーグ、コーヒーなんかもありますがメニューに搾って書かせていただくとケーキ専門店、ハンバーグ専門店、コーヒー専門店なんかがパッとわかりやすいですよね。居酒屋メニューにラーメンは載っていますがラーメンを食べたい人の多くはラーメン屋にいきますよね。

 

要するに『メニュー』だけを見ても専門分野でターゲットをしぼりこんだビジネスモデルなのかカフェや居酒屋のように広くターゲットを獲得するビジネスモデルなのか。

 

そんなこたぁわかってんだよ!!!

 

ってのが僕の持論でした。

色々言うてくる人を口頭では否定はしませんが『毎日、毎日、同じ決まったラーメンばっか作っておっさんばっかり相手してるより、毎日、いろんなもんつくって女の子と話せるほうが楽しいぞ!』なんて思ってました。笑

 

絶対、言わないですけどね。みんなプライド持って仕事してるのにそもそもそんなこと言うてくるほうがおかしいんですもん。言うてくるなら本気で助けたり、力を貸すくらいしっかり行動で示して言わないとね。

 

 

 

話がちょっと反れてしまいましたが。。。

 

 

とにかく、カフェの一番の魅力って【居心地】であったり、お客様にとっての【サードプレイス】に成り得るかどうかですもん。

 

ただここでももっかい言いますが忘れてほしくないのは何度も言いますが『味』の追求は忘れてはいけません!これは食べ物を提供する仕事をしている限りし続けなければいけない運命です。

 

現に僕の大好きな居酒屋さんで食べれる〆のラーメンはそこらのラーメン屋さんのものより遥かに美味しかったですし、僕もお店に出す、食材にこだわって自家栽培の野菜とか作ってましたしね。

 

なのでカフェ経営って楽しくもあり、難しいんですよね。

 

食事の専門性よりもオーナー自身の作る雰囲気や空間が大きく影響します。

メニューや料金だけじゃなく目に見えないものっていうんですかね。それが大事。だから楽しいんです。

 

難しいのは当然、自分のオリジナリティーを溢れさせないとダメなのもそうですがカフェはいろんな飲食店の中でも圧倒的に単価が低い。経営としては数字がしんどいんですよ。

 

これはねぇ。最初から当然わかってるんですがやっているうちに、他の飲食店の客単価の高さをどうしても羨ましく思ってしまうんです。他にも居酒屋だったらパイプ椅子に座らされても文句ないですけどカフェでそれだとちょっとね。。。苦笑。

オシャレな家具や備品にもお金がかかるのでそのへんも覚悟してください。まぁ自分の好きなものに囲まれるのはイイ気分なので。

 

だからカフェビジネスは商売としては非常に厳しいですが独自色を出しやすくその辺りにやりがいを見いだせる人がやるべきだというのが僕の見解です。

 

何店舗も展開するカフェビジネスなら全くやり方は違うんでしょうが何店舗も経営したことない僕が書いても信憑性がないので書かないですし、書けないですね。

 

とまぁ今回はこんな感じの少々、お堅い話になりました。

次回はまた、実際に起こった衝撃的なエピソードを踏まえてブログを書いてみますので乞うご期待。

誰でもわかる。飲食店の始め方。親身になってくれるおじさんが。。。

前回のブログでクレーマーから第二の母にまで登り詰めた若松先生のお話をさせていただきました。

 

今回は親身になってくれたおじさんのお話をしていこうと思います。

 

お店がオープンしてからわりとすぐに60歳前くらいのおじさんでなにが気に入ってくれたのかわかりませんが毎週のように土日にご飯を食べに来てくれる方がいらっしゃいました。

 

今だから書けますが、カウンターに座り、俺は大手企業の管理職だ。マンションを持ってて家賃収入もある、若い女の子ともデートできるんだ!といったようなどうでもいいようなしょうもない話をする人でした。

 

しかし、そのときはまだとにかく一人でもお店のファンを作らないとダメだー!という思いからそんなお話を聞いていました。

 

しばらくすると身の上話だけでなく、今度はメニューの字が小さくて見えないと意見をもらい、まぁ確かに歳のいった方には見にくいのかなぁと思い大きい字体にメニューを刷新しました。

 

すると

 

おじさん『このフォントはないやろー!』

 

僕『そうですかぁ。すいません。でも変えたばかりなんで当分、これでいきます』

 

おじさん『わかってないなー』

 

と。

 

 

ある時は

 

 

『お前の店わかりにくいからもっと看板出したらどないや?』と意見を頂いたのでまぁ確かに地下のお店だし看板は多いに越したことはないのかなぁなんて思い看板を増設。

 

しかしこれにもご意見が。

 

おじさん『勝手に増設するとは何事や!俺がアイデア出してやったんだから俺に意見を聞くのが筋ちゃうか!?』

 

と。

 

その後もメニューの内容がどうだとかお店のレイアウトがどうだとかそもそも客層がどうだとかなんだかんだと色々と意見をしてくるようになっていったのです。

 

そして決まって『俺はおまえたちの為を思って言ってる。いい店もたくさん知ってるしそこから俺が学んだことをおまえたちに教えてやってるんだ。』と言うのです。こういう人、皆さんの周りにもいませんか?笑

 

とにもかくにも正直、めんどくさくなってきてました。笑

 

でも面と向かってなんと言えばいいのかわからなかったのでどうしようかなぁと悩んでいました。

 

そんなときです。

 

あの第二の母、若松先生がケーキ作りを教えにきてくれていた時にそのおじさんが現れたのです。

 

僕は若松先生とマンツーマンでケーキ作りをしており、料理人の相方がおじさんの相手をしていました。そしていつものごとく『この店はどうだ!これがダメだ!』と意見をしていたのです。

 

すると。

 

ケーキ作りをしていた若松先生が僕に『あのおじさんは何者なん?この店にとって大事な人なん?』と僕に聞いてきました。

 

僕も『いや。いつも店のダメなところを指摘してくれるんですが正直、もうめんどくさくて。。。苦笑』

 

そういうと。

第二の母、若松先生は『ちょっといいですか!?』と料理人とそのおじさんの間に入っていきました。

 

『あなたホントにこのお店が好きなんですか!?さっきから文句ばっかり言って。こんな狭い店内でワーワー騒ぐあなたの話が嫌がおうにも耳に入ってくるんですよ。この店が好きで来てくれるお客さんもあなたみたいな人がいたらこなくなりますよ。若い子達だから人生の先輩として指摘もけっこうですがちゃんと場を考えてお話ししてあげてはどうですか?』

 

まさに一蹴。

 

それからそのおじさんはお店には来なくなりました。

 

若松先生からは『自分にとって自分の店にとって本当にプラスになると思う人を大切にしなさい。それは態度がいいお客様、悪いお客様という意味じゃないんやで。接客業なんだからしっかりと見定めれないとダメ』とご指摘をいただき『まぁあのおっさんが来なくなった分くらいは私が十分、還元してあげるから安心して!』と言われました。

 

これも今、思えばホントにいい経験でした。

若松先生もそうですが僕のお店には年配の方もおおく、色々と指摘してくれる人も多かったんですが愛のある方は『参考にしなさい』といろんな飲食店に連れていってくださったり、一緒に仕入れに行ったり、ただただ気晴らしに飲みに連れていってくれたりとそういう指摘を下さいました。

 

つまり口だけじゃなく行動で示してくれました。

 

このエピソードがあってから僕も自分や自分のお店を愛してくれる人だけを大切にしようと考えるようになりました。

ですので入店をお断りするお客様もいらっしゃいましたし、出入り禁止にしたお客様もいらっしゃいました。

 

それはお店のためにならないからです。

 

一昔前にお客様は神様だという通説ができ、サービス業はいかにお客様の要望に応えられるかみたいな風潮がありました。

 

しかし、それではダメなんです。

 

なにも気難しい頑固一徹の寿司屋の大将みたいになれとは言いません。

 

今、茶の湯を勉強していてなおさら思うんですが茶の湯というのは亭主がお客様にお茶を振る舞うのですが招待されたお客様もしっかりとした礼節を持って茶の湯を楽しむのです。

 

だからこそ、亭主がお客様のために選んだ茶器や掛け軸、お花など細やかなところにも目がいき、亭主のおもてなしの心を感じることができるんだと思います。

 

亭主が妙に気を使うのもダメだし、招かれたお客様もなんだか堅苦しいなぁと感じるのもダメ。

 

僕はこれを目指したのです。

 

別に強気でもなかっし、そこまで厳しい線引きをしていたわけでもないです。僕自身、わりと許容範囲は広いと自負していたところもありましたので。なので多種多様な濃い人たちがうちの店には多かったです。笑

 

でもあぁこの人は他のお客様のためにならないな。僕のため、お店のためにならないな。と判断したときにははっきり言うようになりました。【もう来てもらわなくてけっこうです】と。

 

ここでも第二の母、若松先生には返しても返しきれないほどの恩ができました。

 

お店を始めたばかりの頃はほんとにたくさんのお客様に来てもらいたいが一心で誰にでもいい顔をしがちになります。しかし、本当に大切な人を見極めないと商売はうまくいかないです。サービス業、接客のプロなんだから見極めれるようにならないとダメです。仕事をサボってるのと同じです。

 

だからといって殿様商売になってもいけませんからね。そういうお店も何件も知っています。

 

何でもそうですが優しい言葉をかけてきたり、いきなり親身に話を聞いてくれたりする人は信じたらダメですよ。笑

 

プロなんですからしっかり見極めてくださいね。

誰でもわかる。飲食店の始め方。大クレーマー!愛ある大阪のおばちゃん。

僕がお店をしていた場所。大阪の天王寺というところなんですがJR天王寺駅を挟んで南北で街並みがガラッと変わるところでした。

 

今回はちょっと写真つきで紹介したいと思います。特別に。笑

 

天王寺駅南側は人気の商業エリアとなっていてそれはもう都会そのもの。


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近鉄百貨店が命運をかけて建設した、日本一高い商業ビル。気が遠くなるほどの高さ。展望台にあがるだけで2000円くらいする【あべのハルカス

 


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BEAMSやスタンダードブックストアなんかのオシャレなお店がたくさん。あのコブクロのミュージックビデオにも登場した【あべのHoop】

 


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彼氏、旦那。はたまたただの花嫁修業だけで終わるのかわかりませんが意識高い系女子が通うABCクッキングスタジオを備える【アンド】

 


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とにかく10代~30代くらいまでの若者が集う場所。とりあえずここにいっときゃなんかあるでしょ。の定番。【天王寺ミオ】

 

もちろんこういう巨大施設の隙間には大小様々な飲食店、アパレルショップ、TSUTAYAなどなどまさに発展している都市そのもの。

 

そして一方。僕がお店を出していたのが天王寺の北側。

 


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ゴリゴリの昭和感。この建物って建築基準とかその他もろもろオッケー出てんの!?昼は閑散としているが夜になると酔っ払いもゴキブリもネズミも活動が盛んになる【商店街】

 


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お盆とかお彼岸の時期になると大阪中の老人が参列してんじゃないか!?ってほど老人で溢れかえり、境内に入りきらず参道にはみ出している状態。聖徳太子が建てた荘厳な雰囲気を誇る天王寺北側のシンボル。【四天王寺

 


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建築家でもある住職がデザインし、オシャレなお寺に仕上げているのが特徴。

しかしなぜかこのお寺の周辺は大阪屈指のホモ売春スポット。キワモノのホモたちが日夜、身体を重ね会う【一心寺】

 


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外国人観光客に『アレハ、ナンテイウオシロデスカ?』と聞かれること数十回。

 

僕『lovehotel!!motel!!』

外人『?』

僕『セックスホテル!』

 

外人は苦笑いを浮かべ、軽い会釈をして無言で立ち去っていきます。僕が悪いわけじゃない!!!!

 

天王寺北側エリア、ホテル街の裏名物。昭和感たっぷりの天守閣のあるラブホテルその名も【醍醐(DAIGO)】

モデルはおそらく大阪城なんでしょうけど秀吉もここまでエロく弄ばれたら本望でしょうね。

 

 

とまぁ写真つきで紹介しました天王寺エリア。

 

南側から北側までは徒歩で10分。

こんなにも格差があるんです。まぁとにかく今と昔がはっきりわかれてる天王寺という街。

 

この北側エリアに構えていた僕のお店。

まぁなんせあぁいう街並みですから店の前を歩いてる人もご年配の方が多い。

なのでランチやカフェタイムにはおばあちゃんの集団がとにかく多かったです。

 

そんなある日。

ビルオーナー加藤さんがひとりのおばちゃんを連れて来店。加藤さんよりは少し年上かなぁくらいの。

見た目はお上品なおばちゃんだなぁと思ったんですが一瞬で撤回。そりゃそうです、キャラ濃すぎの加藤さんが連れてくるおばちゃんですもん。席に座るなりめちゃくちゃしゃべる。

 

おばちゃん『えらい若いお兄ちゃんがやってるやないのー!うれしいわー!エキスもらいたいわー!!』

 

エキス。

わけてあげれるもんならわけてあげても全然問題ないんですがとにかくしゃべる!笑う!机をバンバンしばく!!

 

なにがそんなにおもろいのかもはや聞き取ることすら困難なテンション。するといきなり

 

おばちゃん『そういやなんかちょうだい!なにあんの!コーヒーとケーキちょうだい!』

 

メニューをまったく見ず注文してくる様はザ・大阪(笑)

 

雑談の中、お出ししたガトーショコラをパクっと一口食べた瞬間。

 

おばちゃん『まずい!まずい!まずい!これ誰が作ったん!?』

 

当初デザート作りは料理人の相方がやっていたので

 

相方『僕ですが。。。』

 

おばちゃん『あんたこれヤバイで!なにつかってんの!?食べてみ!?』

 

相方『モグモグ。。。こんな味ですが。。。』

 

おばちゃんは相方を睨み付けている。

 

その雰囲気に絶えきれず

 

僕『まぁお店の味ですし、美味しいと言ってご注文いただくお客様もいらっしゃ。。。。。』

 

話してる途中にもろかぶせで。

 

おばちゃん『あなたたちこんなもん出してたら絶対にお店つぶれるわよ!私が教えたるから今から買い物行くで!!』

 

僕たちはなにも言い返せず。

料理人の相方は言われるがまま、おばちゃんとともに自転車でお買い物に。

 

残された僕と加藤さん。

加藤さんはニヤニヤしている。

 

加藤さん『なかなかおもろい人やろ(笑)』

 

僕『いや強烈すぎでしょ!相方、泡吹いて倒れそうでしたよ。僕も正直、あそこまで言われるときついですわー!』

 

加藤さん『べっちゃん!まぁまぁ。でもあんたらの店のケーキはまだまだ全然あかんのは間違いないねん!そこは認めなさい!もっと腕を磨かないとあかん。』

 

僕『そりゃそうですけど。。。。』

 

加藤さん『実はあの人、料理の先生やねん。若松先生っていうねんけどな。でもあの人がいきなり買い物に連れ出すとは思わんかったわー!たぶんあんたら気に入られたんやで(笑)』

 

後々、色々話を聞いていると大阪ガスの料理教室の仕事を任されたり、NHKの料理番組にも出ている先生で僕の店の近くでお料理教室も経営しているすごーい先生だったのだ。

 

この若松先生もまたここから長いことお世話になる大恩人。加藤さんと並ぶ天王寺の母の双璧になる御仁。

 

そこから先生のケーキレッスンは約半年間、無償で行われた。ビールとアテがレッスン料金だ。

料理人の彼だけでなく僕もレッスンに参加。

あーでもないこーでもないと多くのことを教わった。そしてケーキ作りは僕が担当することになった。僕の方が若干、手先が器用だという理由からだ。

 

その後も新メニュー開発をするときなんかには若松先生に相談したり、お店を貸し切って若松先生のお料理パーティーをしたり、先生の教室でお料理合コンをしたりと僕のお店にとって、僕にとっても欠かすことのできない存在になっていきました。

 

不思議なもんで第一印象はただただ強烈なおばちゃんでしたが近づいてみると韓国ドラマが大好きで、美味しいものが大好きで、お花が大好き。料理は当然、めちゃくちゃうまい!!どうですか!?女子力めちゃくちゃ高くないですか!?

 

そうなんです!可愛いおばちゃんになっていきました(笑)そして僕のお店のお客さんともめちゃくちゃ馴染んでくれてみんなの母的な存在になっていくんです。

 

強烈なクレーマーがほんとに頼れる存在になる!っていうのは本当だったんです。ここまでやってくださる人はなかなかいないと思います。老婆心の域を越えています。

 

オープンして半年。またまたいい出会いがありましたとさ。

 

今日はここまで。