このシリーズでは私がいかにして飲食店を経営することになったのか、また実際、経営してどうだったのかなど色々と書き綴っていきたいと思います。
営業していたら言えなかったようなことも辞めたからこそ書ける内容もありますので読んでもらえたら幸いです。
20歳の僕は考えていた。
このままこんな感じで僕の人生は終わりを迎えるんだろうか。
会社にいる周りの人たちを見ていてもまるで死んだマグロのような目をして毎日、毎日、出勤してくるだけの管理職。
広末涼子を10発殴ったような顔した女性社員にひたすらちょっかいだいしてるムーミンみたいな体型のおじさん営業マン。
次の休みにどこの風俗に行くかなんて雑誌を眺めているどう見てもモテそうにない、童貞の疑いが濃厚なインキャラ先輩。
そう。
20歳の僕は会社員だった。
専門学校を卒業して、入社した会社。
別にこの会社にめちゃくちゃ期待していたわけじゃないけれど目の前で起こる絶望的にダサい光景を目にしながらデスクに座って考えていた。
このままこんな感じで僕の人生は終わりを迎えるんだろうか。
。。。
。。。
絶対にイヤだ!!
お金稼ぎたい。
きれいなおねえちゃんと遊びたい。
おいしいものたらふく食べたい。
でっかい家に住みたい。
歴史に名を残したい。
なんとかして大統領とかにもなれんかな。
とか。
そんなことを本気で思っていました。
でもな~。
妄想はどんどん膨らんでパンパンになったところで現実という針がそのパンパンに膨らんだ妄想を一突きで割っちゃうんですよ。
別になにか特別な才能があるわけでもなく。
地元の中学、地元の高校、専門学校に進学というスマートとしか言いようがない学歴。
育った環境は大阪の田舎町。
都会に出るのに電車1時間とかかかるからほとんど地元から出ない。でも友達の家には自転車で1時間かけて遊びにいくという典型的な田舎っぺぶり。
頑固者のオヤジと器用なオカン。
独身を謳歌しているばあちゃんと頭はいいけど僕とまったく性格の違う弟。
といういたってそこらへんにいる家庭環境。
仲良しな友達といえば農家1割、サラリーマン・公務員8割、地元企業の社長1割。といった典型的な日本の構成図。
ミラクルスゲー家庭環境でセレブな友達がいるわけでもない。
実績といえば。。。
中学一年のときに初めての彼女ができた。
高校のときにアルバイトしてバイトリーダーになった。
専門学生の時、ちょこちょこと実社会でほとんど役に立たない資格を取った。
後は。。。
後は。。。
なんにもねぇ!!
えっ!?20年も生きてきてなんいもねぇの!?っていうぐらいなんにもない僕。ほんとそのときそのときでフラフラしながら、世間を知らずに生きてた。
やっぱりそうやんな~。
逆に僕みたいなまったくなんもない奴を採用してくれた会社に感謝せなあかんのやろなぁ。
やっぱりサラリーマンかぁというもう抜け出しようがないスパイラルの中にいた。
サラリーマンになってすぐの頃は今、考えたら当たり前だけアルバイトのときよりも格段に給料がもらえた。
実家暮らしだからほんの少しだけ生活費を納め、貯金にまわしても田舎の者の僕には持ってあまりあるほどの大金だった。
なので社会人になってからというもの大阪の繁華街、ミナミやキタといったところに再三、繰り出すようになっていった。
会社でたまったギトギトの脂汚れのようなストレスを発散しに都会へ遊びにいく。
ふらっと入ったチェーン店の居酒屋では所狭しとそんな大人たちがわんさか。
上司がどうのこうの、部下がどうのこうの、客がどうのこうの。。。
そうまさに自分のなりたくない理想が目の前にいる。
かっこわるい大人だらけ。
その中にいる僕はまさにかっこわるい大人になっていたのだ。。。
そんな不毛な都会遊びをしているときに一軒のお店に出会った。
まさかその出会いが自分の人生の舵を大きく動かしてくれることになるとは思いませんでした。。。
つづく