高知で田舎暮らし始めましたブログ

大阪生まれ大阪育ち。生粋の大阪人。そんな僕が念願の田舎暮らしのため家族を連れて高知県へ移住。その中で思うことをつらつらと書いていく田舎暮らしブログ。

誰でもわかる!飲食店の始め方。ここに決めた編。

強烈な先制パンチをお見舞いされた。

ここから話を始めていこうと思います。

 

不動産屋の秘蔵のおすすめ物件の見学に行きました。意気揚々と物件にたどりついたんですが。。。僕と不動産屋さんはもちろんだが。。。もう1人いる。

 

ん??このもう1人は!?というか誰!?笑

 

その正体はこのビルの1階でご商売されている結納屋さんの女将さんだった。

年は60歳オーバーだがさすが結納屋さんの女将さん。きれいな奥さんだった。

 

不動産屋さんの説明を聞くとどうやらこのビル自体がこの結納屋さんの自社ビルで1階部分で結納のご商売されているとのこと。要はこのお女将さんがビルのオーナーだ。なぜこ人がいるかというと自らやってきて査定しに来たのだ。僕を。

 

店内は非常に綺麗な状態だった。

なんでも30年近く、腕のいい日本料理店が入っていたのだが時代の流れとともに閉店。その後、うどん屋さんがこの場所を気に入って30年の営業でボロボロになった店内を500万ほどかけてリフォームした。

しかし、そのうどん屋さんは不幸にも一度も営業することなく閉店したという。

このへんの理由は後々、聞くことになるのだが、と~っても闇の深い話なので少しおいておこう。

 

とにかくリフォームしたのに一度も使われていないからとにかく綺麗。うどん屋さんだから当然、和風チックな内装だったがそこはなんとかなりそう。水周りなどの厨房設備も残ったまま。これは後々、譲渡契約を前うどん屋オーナーと結び、格安で譲り受けることになる。

 

 

トイレが和式だったのでこれは改装しよう!

純和風の壁紙をオシャレな壁紙に変えよう!

床板は木のほうがいいから張り替えよう!

椅子やテーブルなんかもオシャレなものに!

後はいろいろインテリアをそろえよう!

 

など多少の造作は必要だったが今すぐにでも営業できそうな店内。しかも綺麗。

 

こんな幸運は絶対にめぐってこない。

 

僕はひとめで気に入った。

 

ここにいいですね!!僕、ここでお店がしたいです!!なんて盛り上がりながら不動産屋さんと話していると

 

『ちょっといい??』

 

と今まで沈黙を決め込んでいた女将さんが口を開いたのでした。

 

『いったいどんな飲食店を考えているの!?』

『若そうだけど経験はあるの!?』

 

と質問が飛んできました。僕も

 

『業種はカフェで飲食経験は2年ほどです!』

『夜の営業もやりたいのでゆくゆくは朝まで営業したいです!』

 

なんて応えてたんですがさらにさらに

 

『事業計画はできてるの!?』

『お店のコンセプトは!?』

『運転資金は確保できてるの!?』

 

などなどめちゃくちゃ聞いてくるんです。

こんな質問までしてくるもんなんかなぁ。。。と疑問に思いながらも受け答えしてたんですが僕のほうもどうも言葉に詰まるというかそこまで考え切れてない部分も突っ込まれてしまいモゴモゴ。。。

 

『そんなんではダメ!貸すことはできないわ!』

 

と言われてしまいます。

 

見事なほどの強烈な右フックを食らってKO負けでした

 

不動産屋さんと物件を後にして、帰路の途中、話をしました。

 

僕『普通にあんなことまで聞いてくるもんなんですか?』

不動産屋『いやあんなことまで根掘り葉掘り聞いてくるオーナーさん珍しいですよ。』

僕『ですよね~。これってもう貸してくれない流れなんですかね?』

不動産屋『どうでしょうか。もう一度チャレンジしてみましょうか。』

僕『是非、お願いしたいです!』

 

みたいな会話をしながら帰ったのを覚えています。

 

若かった僕はなんで物件借りるのにこんなことまでやらないといけないんだ!!とふてくされながら質問されたことを思い出し、もう一度考え、自分の言葉で説明できるように準備しました。今、思えば本当にありがたいアドバイス、忠告を頂いたんだと思います。

 

そしてリベンジ。

もう一度、女将さんに会いにいき1時間くらいでしょうか。話をしてようやく了承を頂きました。

 

この女将さん、後に僕にとっては欠かすことの出来ない第二の母とも呼べる存在になります。何度も何度もピンチを助けてくださる超面倒見のイイ最高のお母さんになる方です。僕の飲食店の始め方ブログにたびたび登場するのでここで女将さんからいつもの呼び方に変えておこうと思います。

 

女将さん→加藤さんです。

 

実はこのリベンジの面談のときからすでに加藤さんは僕の見方になってくれていました。

 

結納屋さんの社長や専務は僕のような若造が入ってくることを猛反対していたそうです。どこの馬の骨かもわからない若造を入れてなにか問題があったらどうするんだ!しかも朝まで営業なんてされたらご近所にも迷惑がかかる!絶対反対だ!!!みたいな感じだったそう。笑

 

しかし加藤さんだけがこのビルも変わらないとダメ!若者に入ってもらって活気を取り戻さないとどんどん廃れていくだけ!!何かあったら私が責任をとる!!とまで言って経営陣の反対を押し切ってくださったみたいです。

 

ほんとそんなこと聞いたら嬉しくなって泣いてしまうでしょ。

2回しか会ってない僕のためにこんな戦いをしてくれていたなんて。

 

物件取得はここから猛スピードで進んでいき、無事に契約書に判子を押すところまでスムーズにいきました。2010年の1月に無事に物件を取得しました。

もう僕なんてこんな契約書とか交わすの初めてだからわざわざスーツを引っ張り出してきて挑んだんですよ。笑

 

今思えば本当に初々しかったなぁと思いますね。笑

 

ここに開業までの資金を書いておきますのでご参考に。

 

保証金:40万

敷金:30万

礼金:30万

内装工事費:150万

什器:200万

インテリア:50万

 

合計 500万

 

これが僕が経営していたお店のイニシャルコスト。

居抜きの綺麗な物件とはいえ500万くらいはざっくりかかってしまうんです。

ここに当面の運転資金が100万ほど。飲食店開業ってほんとにお金がかかるんですよね。

 

さて。ここに決めた編のまとめです。

 

僕もいろんな物件見に行きましたが気に入った物件って本当に少ないんですよね。

土地、家賃、周りの環境、階数、面積、形などなどこだわり出したらキリがありません。

その中で気に入る物件って1番目にめぐり合うかもしれないし、10番目にめぐり合うかもしれない。こんなのはもう運命に任せるしかないんですね。

 

初めての出店でめちゃくちゃビビると思うんです。

 

だってこの場所が自分の城になるんですから。

 

店舗物件を探すのに慎重になるのも大事ですがここだ!!って自分が感じたのなら直感を信じてあきらめずにトライしてほしいですね。

僕みたいに意外な人の面談なんかもありますので心してかかってくださいね。笑

 

次回は開店準備編。これも色々と珍事がありましたので書いていきますね。