高知で田舎暮らし始めましたブログ

大阪生まれ大阪育ち。生粋の大阪人。そんな僕が念願の田舎暮らしのため家族を連れて高知県へ移住。その中で思うことをつらつらと書いていく田舎暮らしブログ。

高知県東部のゆず王国。この活気溢れる村に行かずしてどこへ行く!?

相変わらず遠い遠い高知の道のり。笑

 

 

 

 高知県庁から車で1時間40分と出ていますがコレはうその情報。

2018年7月の集中豪雨の影響で村への道は未だ、完全開通とはならずなんと1時間に10分だけ通行が許可されている山道を通らないと行けない。他にも落石は日常茶飯事、細い細い山道をくねくねと延々進むことでようやくたどりつけるというまさに秘境。

 

そうそこは高知県東部に位置する『馬路村(うまじむら)』だ。

 

なにを隠そう、高知県でもっとも【村の名前】が全国的に売れているのが馬路村だ。

 

その代名詞がこのポン酢。

 

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高知県内でいち早くゆずの加工品に手をつけこのポン酢が誕生しその美味しさから全国にファンがいる看板商品。

 

知らない方は是非、食べてみてください。他のポン酢が食べれなくなるかも!?

 

過去に馬路村の商品の記事を書いたのでこちらも参考にどうぞ。

 

beeeee1600.hatenablog.com

 

 

上記のようなゆず製品の他にも様々な魅力や工夫がある馬路村に丸一日どっぷり行ってきましたので馬路村の素晴らしさを書き連ねていきたいと思います。

 

かつて馬路村は林業で栄華を誇った村でした。

特産の魚梁瀬杉(やなせすぎ)は非常に品質がよく高値で売買されていたとか。しかしそんな林業にも陰りが見え始め、このままじゃダメだ!新たな村の産業を作らないとダメだと思案して誕生したのが【ゆず】だったそうだ。

元々は村民の一部が自分の家で食べるためだけに育てていたゆずに着目し、生産を拡大。果実をそのまま売る『玉売り』と果実を搾って瓶詰めした『果汁売り』で東京や大阪に殴りこみをかけるが売上は頭打ちに。

 

全国各地でゆずが作られていたため競合も多く飲食店や販売店に卸す販売形態にも問題があり苦戦を強いられていた。【BtoBビジネス】

 

そこでさらに踏み込んで【ゆずの加工品】に取り組み、多少手間がかかっても消費者に直接届けたいと方向転換し、大成功を収めるまでにいたる。【BtoCビジネス】

 

その売上が今やなんと約30億円。それがなんと農協が経営しているのだ。

 

高知では昨年、各地の農協が合併しJA高知というひとつの組織になった。僕が住む香南市の農協も同じく合併したがこの馬路村農協は違った。JA高知とは一緒にならず独自に馬路村農協をして歩んでいく道を選択した。

 

合併には様々な利点があり、一番の利点は組合員はどこも等しく同等のサービスが受けれるという点だが馬路村農協は合併なんてしなくても十分にやっていけるのだろう。むしろ巨大組織にのみこまれるほうが動きづらいのかもしれない。

 

とにもかくにも独立の道を進むことになった。そしてこれは農協だけでなく馬路村自体もそうだった。高知では平成の大合併といわれ多くの市町村が合併していった。

 

人口1000人にも満たない村なんかは住民の思いもむなしく時代の流れから合併の道をたどるしかなかった。僕が住む香南市も5町村が合併し、香南市となった。

 

しかし、馬路村は断固拒否し、『馬路村』としての独立の道を選んだのだ。

 

村も農協も馬路村というのは非常に独立意識が高い。

 

なんかかっこよくないですか!?

 

合併するのはイヤだったという話はよく聞きますが結果もないのにブーブー文句たれてる市町村が山のようにいる中、しっかり結果を残し我が道を突き進むその姿はまさに【田舎の星】だと僕は思います。

 

長くなりましたが馬路村の紹介はこのへんにしていざ突入!!まずは【ゆずの森】という施設を見学させてもらいました。実はここ農協と工場が一緒になった施設なのだ。


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おしゃれな木の建物。

 


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超簡単な地図がかわいいです。


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このスリッパも。なんか固すぎることなくちょうどいいフォント。

 

 

最初は座学。ごっくん馬路村がちゃんと添えられています。ありがたや~!


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馬路村の成り立ちなどを勉強し、工場見学へ。

 

ここでは馬路村のゆず商品がたくさん作られています。


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見学させてもらった今日は【ユズカン】という商品をつくっているところでした。

 

こういう工場の機械を見学するのはとっても萌えます。

 

綺麗にピシッと揃う様や機械の動き方などいちいち目を奪われてしまいますね。

 

ちなみにこの工場で一番のヒット商品【ごっくん馬路村】が作られています。

1日で15万本生産され全国へ出荷されていきます。

 

 工場の中もちゃんと見学できるようにガラス張りの廊下が作られ、馬路村農協の方の説明もこなれていらっしゃってとてもわかりやすかったです。

 


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ここはコールセンターの写真。

同じ建物の中にコールセンターがあり、インカムをつけた女性が手際よく電話を裁いていました。ここはほんとに高知の山奥にある村か!?と思わせるような光景。


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商品の展示もしっかりされていて詳細な説明も書き込まれていてわかりやすい。

 

他にもたくさんの広報宣伝物がありました。


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ここは出荷場。

馬路村の商品はムダな緩衝材などを省くため、商品にあわせ約40種類もの箱を使い分け、緩衝材の代わりにタオルを使っています。

ムダなゴミは極力出さないようにという想いがこういうところにも詰まっているのです。

 

そして一番驚いたのがトイレ

工場内のトイレならまだわかるんですが僕らみたいな見学者や事務員さんたちが使うトイレなんですが、用を足して手を洗っただけでは出れないんです。笑

 

言ってる意味がわかりませんよね。笑

 

ここのトイレ。

自動扉が開いて入るんですが入ると中からは開けれなくなるんです。出る方法はひとつ。

手洗い場に目をやると

 

1、水

2、石鹸

3、乾燥

4、消毒

 

と順番が書かれています。

この順番どおりに水を出して石鹸で手を洗ってジェットタオルで乾燥させアルコールで消毒。

 

するとどうでしょう。

 

自動扉が開くのです。

 

すごくないですか!?

 

ここ高知県のクソほど山奥にある小さな村の農協ですよ。

工場内だけでなく見学する我々、従業員らにも衛生管理を徹底させているんです。

工場に入るわけでもないのに。この意識の高さに本当にびっくりしました。

 

いや~ほんとすごい工場です。

 

そして工場全体を見学させていただいて思ったことはポスターや広報宣伝物の【フォント】です。決して上手ではないけどどこか親しみがもてる【フォント】を徹底して使用しています。

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 このフォント。なんかかわいいですよね。でもこれを徹底して使っていくのは勇気がいったと思うが

 

あぁこれがブランディングなんだなぁと。

 

このゆずの森を後にしてからわかることですが農協だけじゃなく馬路村の至るとこでこの【フォント】を目にします。

 

 

まさに村ごとブランディングです。あっぱれ!!

 

午前中の工場見学を終え、お昼ご飯。

馬路村温泉内にありますレストランでお食事を。


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アメゴ(川魚)を使ったゆずバーガーをいただきます。

サクサクジューシーなフライにさっぱりゆずのソースがたまらなくうまい。

ジョッキに並々と注がれたゆずソーダをガブガブを飲みながらいただきました。

 

さぁ後半は観光へレッツゴー!!!

まずは木工細工の工房へ足を運んでみました。シーンとした工場に木の香りが香るなんともいえない雰囲気。

 

こういう職人の工房に入るのもとっても好き。萌えますねー。

 

今はもう伐採できない貴重な魚梁瀬杉。


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(原料の状態)


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(製品の様子)

 

 

しかもこの木は切り出しから10年近く乾燥させているらしく相当に貴重なものだそう。実はさっきのバーガーが乗せられているのはこの魚梁瀬杉のお皿が使われています。

 

いいねー!!いいねー!!

 

そこから車で30分。

馬路地区から魚梁瀬地区へと移動し、ダム見学へ。


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横には


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発電所が。

 

 

壮観。

こういう巨大建造物を見ると胸がときめいてしまうのは僕だけだろうか!?

ロックフィルダムという形式のダムらしくなんと西日本で最大級のダムだそう。

しかし、現在、広く一般に公開されているわけではなく年に数回、イベントで開示している程度。

 

『こんな素晴らしい観光資源活用しない手はないでしょ!?』と思うんですがやはりなかなかうまいこといかないのが現状だそうです。もったいないな~。

 

他にも馬路村には馬路村温泉がある。

今風のオシャレな温泉施設ではなく昔ながらの銭湯に近い雰囲気だが僕はこの温泉も大好きだ。

なにより人が少ない。笑

都会のスーパー銭湯のようなまるで芋の子を洗うが如くひしめきあうことなんてまったくない。貸切家族風呂なんかもあって本当にゆっくりできる温泉だ。中でも冬至の時期に行われるゆず風呂は格別。見たことないくらいのゆずが浮かんでいる光景は圧巻。まぁそりゃ村を見渡せばたくさんゆずがあるからね。笑

 

今回は温泉には入らなかったが是非、また入浴しにこよっと。

 

さぁお次は最後にワークショップを。


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ここにもごっくん馬路村が。本日3本目。もうここまで徹底されると笑えてきます。笑
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皆様といろいろな意見交換をさせていただきました。

 

 こんな素晴らしい高知の山奥にある村、馬路村ですが実は問題も多くあるみたいです。

 

明治時代に(旧)魚梁瀬村と(旧)馬路村が合併し(新)馬路村ができたそうですが未だに旧村同士が仲良くないみたいです。。。100年以上前のことですよ!?笑。旧村というのはなかなか根深い問題なんですね。

 

他にも馬路村は儲かってるし、村民の幸福度は比較的高いそうですが、村民の人口減少は毎年、深刻化しているそうです。

お金があって村民幸福度も高いのになんでなんでしょうね。

でも人口減少は目の前で起こっている事実。これが儲かっていない、幸福度も高くない市町村だったら危機感を持つと思うんですがなかなかそうなっていないのが現状だそうです。『よそよりはマシ』が蔓延しているそうです。笑

 

まぁよそからしたら山奥の小さな村がめちゃくちゃ儲けてて、幸福度も高いってだけでかなりすごいことなんですけどね。

 

 なにわともあれ今回の馬路村訪問。

商売っ気の少ない高知県で間違いなく商売感覚が抜きんでている馬路村。しかし、そこはお金お金と利益先行しているような村ではなく本当に消費者、お客様を大切にしている姿があり、ブレない軸が決まった村でした。

 

馬路村には公式に馬路村特別村民制度というものがあります。

特別村民にはこのような特典があります。

 

1、馬路村村民と同じ気持ちになれる。

2、特別村民の住民票を発行してくれる。

3、ときどき、村の行事などが載った広報を届けてくれる。

4、馬路村来村時には村長室で村長とごっくん馬路村が飲める。

 

なんていうネタ!?みたいな村民制度があります。

これを役場がやってるんです。行政がやってるんですよ。笑いのセンスあるね~!!

 

インターネットで簡単に登録できて特別村民になれちゃう。ってこんな制度、意味あんの!?って思ったあなた!!

 

この馬路村特別村民に登録し、実際に村長室を訪れた人数は平成29年までで1500人。そして馬路村特別村民は10000人ほどいるという事実。

 

馬路村のファン作りはハンパじゃありません。

なんか楽しく思えてきませんかこんな村。なかなかないと思いますよ。笑

 

このブログを呼んでくださって馬路村に興味を持ってくれたあなた!!いきなり高知に来いとはいいません。

 

まずは【ゆずの村馬路村ポン酢】からはじめてみてください。

ネットじゃなくても、お近くの中堅~大手スーパーにあると思います。

 

僕もすっかり馬路村のファンになってしまいました。笑